中世の階級社会を代表する農民、商人、職人、領主、僧侶らの暮らしぶりが、一目で分かる内容に好感を持ちました。現代では当たり前の窓ガラスが、当時非常に高価なものだったとは知っていましたが、代用品として、窓枠の格子を布で覆ったり、平らに薄く延ばして磨いた角を並べて使用していた様子を再現した写真からは、黄味がかったプラスチックか、薄いべっ甲のようにも見えて、ステンドグラスとは、また違った趣があり、中世の知恵と技術に感心しました。特に動物の角は、スプーンにも加工されていたりと、意外な使われ方が面白く感じました。写本の金箔を貼る過程や、豪華な聖遺物箱など、美術的にも興味深く、苦しい庶民の生活の中にも、祭りや音楽があり、職人(石工)の技術力に支えられた聖堂建築など、ペストや戦禍といった暗黒の中世のイメージを払拭する豊かな時代を知ることが出来て大変良かったと思います。