『中世ヨーロッパの都市の生活』です。中世ヨーロッパと謳っていますけど、実際に書かれているのは1250年のフランスの都市、トロワです。
えーと。中世ヨーロッパ、と一言で言っても、漠然としすぎているものです。時代はいつなのか、場所はどこなのかによって、違いは大きいです。最大公約数的な概説書だと、全体像をなんとなく思い浮かべるにはいいかもしれませんが、細部については別途史料を渉猟するしかありません。
そこへくると本書は、「1250年、トロワ」ですから、ピンポイントです。
書かれている内容も、主婦の生活、出産、結婚、葬儀、商人、医師、建築、学校、演劇、そしてシャンパーニュ大市と、生活に密着したものです。
記述はきわめて具体的なのですが、さすがに1250年トロワにピンポイントで焦点が当たっているので、前後のいきさつ等については説明不足があります。
最盛期のトロワを描いたものではありますが、そこから、中世ヨーロッパの世界観、雰囲気を感じるには十分だと思います。