『中世の秋 (下巻)』です。
中公文庫で上下分冊の下巻です。
本書を手に取るのは、既に上巻を読んだ人でしょうから、特に記すべきことは無いのですが、おさらいとしては、訳者の文章がそれなりに個性的であって読者によってはそれが読みにくさにも繋がるということ。と、単行本版には存在していたらしい豊富な図版が、文庫版には存在せず、純粋に文章だけで理解しなければならないのでハードルが高くなっている、ということです。内容は西欧中世史概説。特に14世紀くらいのブルゴーニュ公国です。
目次から抜粋した下巻内容は、
信仰生活のさまざま
信仰の感受性と想像力
盛りを過ぎた象徴主義
神秘主義における想像力の敗退と実念論
日常生活における思考の形態
生活のなかの芸術
美の感覚
絵と言葉
言葉と絵
新しい形式の到来
著者についておさらいしておくと、オランダの歴史学者で、『ホモ・ルーデンス』における「遊び」こそが人の本質とした論が有名です。『中世の秋』の中にも、そのプロトタイプのような論が見られます。
西洋中世という時代の魅力をよく描いているとは思いますが、やはりけっこう難しいです。評価は上巻と同じく★3です。