前半4章(全体の1/3)をつかって並行コンピューティングの原則が説明されています。非常に明快な文章とシンプルなサンプルソースが理解の助けとなりとてもわかりやすい内容になっています。後半はスレッドライブラリの紹介から様々なアルゴリズムの並行化の具体例が紹介されていますが、すべてではなくそのうちのいくつかを読むことで自分の業務への適用の具体的イメージが理解できました。
ただし原則の記述は簡潔であるが故に、並列アルゴリズムの実装を何度か経験をしている人であればこの明快さに驚くと思いますが、一度も経験したことがない人には実感がわかないかもしれません。そういう場合には後半の具体例を読み進めながら何度か前半を読み返すと良いのではないでしょうか。
著者はIntelのエンジニアですが全体的に特定の環境やスレッドライブラリの実装に偏っておらず、並行コンピューティングの原則を理解するのには大変良い教科書だと思います。