療養中の母と優しい父、そして快活で理知的な娘。オマージュか偶然かは定かではないが、繊細で情感溢れるタッチは『となりのトトロ』を彷彿とさせます。自転車という身近な乗り物から、それに関わる人のエピソ−ドをタペストリーのように描く切り口は、斬新でありながらも深く響く。初期のころのエピソードはどれも秀逸です。
ただ巻を経るにつれて、作者の画才が皮肉にも作品の方向性を惑わせるのが少し残念です。絵柄を見れば一目瞭然ですが、作者は女の子を綺麗に描くセンスに長けています。それが、初期の頃は透明で清楚なタッチで、それが淡い恋愛のエピソ−ドなどにビー玉のような煌きを与えていました。
が、連載が長寿になるにつれて、いわゆるイマドキの『萌え美少女』路線の比重が徐々にシフトしてきているようです。それが作者の心変わりか、出版社の意向か、はたまた読者のニーズゆえかはわかりませんけど。
その点が少し残念ですけど、初期のころ、特にこの第2巻はホントに素晴らしいです。絵柄から誤解されそうですけどね。