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自分はまさにこんな本を待っていました。
演劇論とブランド論の融合。同著者の『反経営学の経営』と甲
乙つけがたい内容となっております。
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と、まあふざけた縦読みは置いといて。
近代的企業制度の中で人が人をどう楽しくさせるかを考える「ブランド屋」(P203)を自称する著者が、世阿弥の『風姿花伝』と自身のブランド論を融合させた渾身の一冊。 ここ数年の著者の思索が凝縮されている。
本書の100ページで、レヴィ=ストロースの「ブリコラージュ」という概念が紹介されている。これは、今あるものを寄せて集め試行錯誤し、全く新しいものを作る事を指す。
100年ブランドの例で言うと、花王の逆立ちの歯磨き粉のチューブは、洗面所でコップに差して置いてあるチューブの姿と最後になると絞り出しにくいという顧客の声が結びついて生まれた。(P99)
著者が本書で試みているのもまさにブリコラージュで、自身のブランド論と、世阿弥の演劇論を組み合わせることで全く新しい価値を生んでいる。
本書の中で特に私が興味深いと思ったエピソードは、初心を忘るべからずという文脈で出て来る、ワイデン+ケネディ社の話。ポートランドの本社の壁には“Fail harder”(もっと激しく失敗しろ)というメッセージが掲げられているそうである。(P178)
この様なパワーブランドの実例を豊富に紹介し、100年ブランドを目指す上で大切な要素を明快に説いた本書、是非手に取って頂きたい。