自分の中に世界に通じる窓があり、その窓を通じてのみ広い世界を見渡すことが出来る。
世間を読み、人間を読むという題は真理に近づくことに他ならない。
このような内から外への飛躍を説く阿部先生の考え方は、
彼の歴史的背景から来たものであり興味深いものが多い。
阿部先生の師匠に当たる上原先生の言葉にも多くを学ぶ。
その言葉とは、
「対象にほれ込んだ瞬間に身をひるがえして現在の自分に戻ってこなければならない」
「わかった時は自分が変わったときでありそれ以外は、知識を詰め込む作業である。」
など最初は、あまりに抽象的で理解できなかった部分が読み進めていくうちにその言葉の深さが浮き彫りになってくる。
他、興味深い目次を羅列しておく
『自分の中に歴史を読む』
『集団的教養とは』
『現在はひとつではない』
『自分をどう広げていくか』等
扱っている思想は非常に広範囲にわたるが、そういった類の専門的考えに
固着しすぎず、広い見方で判断しているため参考になる視点が多く含まれている。
今まで言葉で表すことの出来なかった思考もどこかでつながり、
新たな世界の発見を手助けしてくれた。
一点張りの考えで思考が外に向かって広がらない方(殻から抜け出すことのできない方)などには非常に参考になるだろう。