まず本書は、
経済学者やアナリストが書いたのではなく宗教学者が書いたということです。
そして社会競争(受験や仕事などで、日本人の多くがさらされている状態)に疲れてしまった人、競争にウンザリしながらもどうしていいのかわからない、どう考えればいいいのかわからない人に向けて「別の思考」を提示するために書かれた本です。
その前提を確認したうえで、本書を読んでみてください。
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日本人には日本人の生き方というものが存在していました。
しかし、
いつからか(もちろん敗戦後ですが)アメリカ型なるものを「善」とするようになり、日本人の持つ心の本来性が損なわれています。
成果主義、拝金主義など過剰なまでの競争もそこに含まれます。
ところが、
その競争社会アメリカの市民には信ずる宗教、もしくはそこから受ける恩恵(社会奉仕なども含めて)というものが厳然と存在していて、ときに競争下で疲れ切った心に「救い」を与えています。
イギリスは? フランスは? ドイツは? ロシアは? イタリアは? ・・・・・・
世界を牛耳る競争の大舞台である経済大国のどこにも厳然と宗教が定着しているという事実。
経済大国はどこも大宗教国家だとさえ言えます。
で、日本は?
これでは、ただただ過剰な競争にまみれさせられただけの日本人、ということになってしまいます。
事実日本の社会情勢はそうなりつつあります。
日本人の多くが(メガ企業勤務者でさえ)懸命に働いても給与なども上がらず(逆に低下さえしている)、競争にまみれたところでいろんなことがただのマイナスになるばかりの状況。
そこを宗教学者の立場からひろさちやさんが、心の不適正要件の揃い踏みという面で危惧しているのだと思います。
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人生は「個」抜きには語れません。
どこまで個々人が自分という「個」に集中出来たかは人生に大きなことです。
他者を意識し過ぎることは不幸なことであり、なにより「個」への集中を失くさせます。
つまり競争は他者意識が宿命なので「個」を奪い去ります。
競争に勝者などいません。
勝った者も次の競争では敗者かも知れません。
それがいつまでもつづくだけです。
最後は全員がいつしか敗者になっているのが競争の真実です。
それでは「個」が幸せになるはずはないよ、とゆるやか思想の仏教的立場から説いているのが本書です。