本書は硫黄島攻防の名将、栗林中将の人となりを描いた名著『散るぞ悲しきの』著者による作品です。前著と同様に「手紙」を精力的に猟集し、丹念に読み解いています。
(告白のためのものを別にすると)恋文というのは非常に無防備でその人らしさがもろに出るものですね。文豪や政治家など多士済々が取り上げられていますが、地位や風貌からは想像しにくい人物の一面、いやむしろ核心が浮かび上がってくるところがとても面白かったです。
さらにいうと、著者も文中で指摘しているように男性は意外な一面、女性はその人らしさが出ているのが印象的でした。男は仕事をするときは戦闘モードで虚勢を張っているということなのか、あるいは別の理由なのかわかりませんが恋愛という局面で男女の違いが恋文にも反映されているというのが興味深かったです。
前作『散るぞ悲しき』に非常に感銘を受けたのでそれに敬意を表してこちらは星4つとしましたが、面白さは星5つ分でした。