昔から地図を眺めるのが好きだった私にとって、好奇心のツボをピンポイントで刺激してくれた本。だってテーマが飛び地ですよ飛び地!「飛び地」だけについて書いた本がこの世のどこにありましょう。目の付け所が素晴らしい。この本のすごいところは、単なる地図上の飛び地の網羅にとどまらず、(おそらく相当の)マニアである著者がその政治的・文化的な背景・ドラマを読者が納得する程度まで詳しく解説してくれているところです。地図も地名のアルファベット表記もちゃんとついています。
テーマは一見マニアックですが、読めば誰にでも「へ〜!」と言わしめるような話ばかりです。「国家」「民族」といったことに興味を持つきっかけにもなると思うので、大学生・高校生にもおすすめです。語りかける文体と説明文的な文体の混じったユーモアのある独特のスタイルも事典というよりエッセイのようで、個人的にはツボです。