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どこか日常になじみきれない・でも話の合いそうな人と偶然知り合った気がする、不思議な一冊です。
このエッセイを読んで、穂村氏が短歌で何をしようとしていたのかを、私はやっと分かった気がする。穂村氏は歌という現実とも非現実もいえない空間で自己を確認していたのだ。彼の人生に対する姿勢には私も共感できる部分がある。
また、穂村氏の妄想の世界(かなり凄い現代人の妄想の世界が展開されている)には笑えるが、それは痛々しさを伴う。なぜだろう。たぶん、笑いは穂村氏の感じている孤独と、それでも世界と繋がりたいという求心から引き起こされ、それは同時に私自身の姿とも少し重なり悲しみを呼ぶからだろう。
穂村氏は本の中で自分のことを「恋愛霊」「青春ゾンビ」と呼んでいたが、これも笑いだけを狙ったのではないだろう。それは現実の自分と自分の精神とに常にギャップを感じる現代人の象徴でもある。その代表のようなこのエッセイは、現代の孤独と世界とのつながりについて書かれたものとしては、かなりの高級品だ。
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