基軸通貨ドルが次第に衰退し、世界経済はユーロ、円、ポンド、元などが入り乱れる体制に、2025年ごろまでになっているだろうという予測。危機をあおる「破綻本」や、米国株の上昇はまた続くとする「楽観本」が多い中、タイトルとは似合わない世界金融経済の教科書的な入門書といえる。一気に読破したが、独創的な内容はなかったような気がする。
東谷氏は高名な経済ジャーナリストでないわけだが、参考文献の多さから見ると、物凄い勉強家のようだ。アメリカ金融がこれまで伸びたのも、またこれから落ち込むであろうこともすべて「証券化」という手法が原因と断言しているのは鋭いのだが、サブプライムローン問題に関する記述はほとんどない。
グリーンスパン前FRB議長について、あいまいで市場の流れに身を任せただけ、という分析は面白かった。
表題の「支配者」なのだが、実は目新しい組織、人はいないのであって、当たり前に「基軸通貨のドル」なのである。