毎年冬と夏、コミさんは海外で暮らす。1箇所にひと月くらいは滞在する。その間に、しょっちゅうバスに乗って「ふらふら」出かける。そのバスがどこへ行くかも知らず、片手に哲学の翻訳文庫本を携えて、ひょいと乗ってしまう。
そして、どこかで「ふらふら」飲んでいる。ホテルのバーで、あるいはその土地の人間だけが集う酒場の片隅で、ワイン、それも大好きなのは白ワインだ。ともにグラスを傾けるのは「新宿ゴールデン街のノンベエ」のマコこと、ライターの田家正子、それに旅先で知り合った気のおけないその他大勢だ。キプロスでは、乗ったバスの運転手の家でごちそうになっていた。
旅先で出くわした食べ物にも、「ふらふら」と昔の記憶がよみがえる。ニューヨークで食べたチリ・コン・カーンや赤かぶスープに、呉の進駐軍の炊事場で働いていたころを思い出し、ブレーメンのオムレツから、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を翻訳したころを懐かしむ。そんなふうに、コミさんの「ふらふら」はどこまでも続いていくのだ。(文月 達)
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