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世界経済を破綻させる23の嘘
 
 

世界経済を破綻させる23の嘘 [単行本]

ハジュン・チャン , 田村 源二
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

本書は、経済の通説や英知とやらをことごとく破壊する。通説の裏に隠されている真実を暴き出し、経済システムの最良の動かし方を明示する。 たとえば、 ●自由市場なんてものは存在しない。 ●私たちはデジタル世界に生きていないーー洗濯機はインターネットよりも生活を変えた。 ●貧しい国のほうが富める国より起業家精神に富む など、マネー、不平等、自由、貪欲についてのヤバい真実を白日の下にさらし、破綻へ向かう世界経済の流れを食い止める。

内容(「BOOK」データベースより)

マネー、自由、貪欲、格差についての常識・通説を破壊し、新しい世界経済の流れを読み解く。

登録情報

  • 単行本: 350ページ
  • 出版社: 徳間書店 (2010/11/19)
  • ISBN-10: 4198630682
  • ISBN-13: 978-4198630683
  • 発売日: 2010/11/19
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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市場は自由であるべきであり、保護貿易や産業保護は悪い結果しか生まない。金融市場の効率化こそが金融資本の最適配分延いては実物経済の発展に資し、経営者は株主利益を第一に経営すべきである。産業発展と共に世界は脱工業化に時代に突入し、また経済のグローバリゼーションと共に資本活動や企業活動の前に国境は消滅した・・・等々。

私達が日々よく見聞きするこれらの論は正しいのか? 本書では、反自由市場主義の立場を取る著者が23のトピックについて反論を展開する。ひとつのトピックごとに15ページ程度の分量だが、具体的な例を用いながら簡潔に分かり易く説明している。

印象的だったメッセージのいくつかは下記の通り。
・規制は市場の自由を制限するので導入すべきでないという意見は、その規制によって守られる権利を認めないという政治的意見を表明しているに過ぎない。
・あまりにも自由すぎる金融市場は、超過流動性によって金融危機の種を撒くのみならず、「辛抱強い資本」の確保を難しくし、実物部門の長期成長力を削いでしまう。
・脱工業化は、サービス産業よりも製造業における生産性が速く伸びた結果、そのように見えるだけであり、製造業をないがしろにすると国際収支の赤字を招き、長期的には経済力を削いでしまう。
・個人がもらう賃金は必ずしも当人の能力を反映したものではなく、大部分が社会・経済システムの賜物であり、また移民規制によって支えられたものである。

官僚主導の下幾多の保護・規制を用いながら経済発展を遂げた私達の国はいま、失われた15年を経て、規制緩和、金融市場改革、株主至上主義、実力主義等々、様々な概念の導入下である英米型自由主義経済システムに舵を切ってきた。そしていまも自由貿易協定や移民政策について議論がかわされている。いまいちど立ち止まって、本書をゆっくり読んでみる、そしてわが国が取るべき方向性について議論してみることに大きな意義があると思う。
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
原題は『23Things they don't tell you about capitalism』『資本主義について誰も教えてくれなかった23のこと』である。
邦題の『世界経済を破綻させる23の嘘』は、編集者のこの本を世の中に広めたいというインセンティブが働いて付けたタイトルであるが、
本来の内容はもう少しおとなしく、「世界経済について皆が常識だと思っている事柄を、もう一度検討してどこが間違っているか考えよう」
というもので、よく納得出来るところが多い。取りあげられているのは、
「市場は自由でないといけない」
「株主の利益を第一に考えて企業経営せよ」
「インターネットは世界を根本的に変えた」
「教育こそ繁栄の鍵だ」
「資本にもはや国籍はない」
「世界は脱工業化時代に突入した」」
「今や努力すれば誰でも成功できる」
などである。
「今や努力すれば誰でも成功できる」の項目については、機会均等だからフェアとは限らないとし、ある程度の結果均等も伴わないと
 機会均等(児童手当、教育の無料化)も役に立たないとする。全面的に賛成である。
「教育こそ繁栄の鍵だ」の項目には、興味深いスイス・パラドックスという現象を紹介している。スイスの大学入学率は47%(2007年)で、
フィンランドの94%、アメリカの82%、韓国の96%、日本の77%などに比べると(註・ここで取りあげられる大学進学率は専門学校等も含むと思われる)
きわめて低い。しかし、スイスは世界の最富裕国のひとつなのである。スイスでは『不健全な高学歴志向」が働いていないからだと著者は言う。
みんな大学に行くようになったため、まともな職業に付くには大学に行かなければならないという風潮、これは不幸なことである。
著者はこんな表現を使う「劇場で一部の前の人が舞台をよく見ようと立ち上がったので、後ろの人も立たざるを得なくなった状態」
これは日本にも当てはまる。是正せねばなるまい。

参考 私が調べた各国の大学進学率である。
・アメリカ 61%(2006年)
・韓国 99%(2006年)
・日本 54%(2006年)
・スイス 20%(2003年)
古くてごめんなさい。
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29 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
特に日本人には共感できる箇所の多い本だと確信する。
なかでも第九章「世界は脱工業化時代に突入した」では、
産業の空洞化を脱工業化などという聞こえの良い言葉でごまかすと
なぜ痛い目に合うのかが理路整然と説明されている。
「モノづくりをバカにしてはいけない」という日本人の信念が 単なる感傷でないことが分かる。
また、インターネットの革新も多少は冷静に見つめる必要があると気づかされる。
電信機や電話がそれまでの世界にもたらした限界便益とインターネットのそれを比較して
つきつけられると、思わず苦笑してしまう人も多いだろう。

そして「公企業=放漫経営、私企業(または公企業の民営化)=効率」という
図式が本当は非常に恣意的な言説なのかもしれない―という意見にも激しく同意する。
私企業でも意思決定の失敗はいくらでも普通に起こっていること、どんなに監査に励んでも
根本的にエージェンシー問題を絶つ方法が見つかってないことを思い出せば、
経営の効率において私企業が公企業より優れていると考える根拠はカナリ怪しくなってくる。
たまに「公企業の失敗事例と成功事例のどちらが多いか」を議論してしまう人がいるが
――著者の見解に賛成するにしろ反対するにしろ――個人的にそれは無意味な議論だと思う(笑)。
この本では帰納的な検証方法が多く用いられているが、この部分の考察は違うからだ。
公企業は私企業より経営が上手くいかないと考えるべき論理的根拠がどこにも無い、という話である。

どの章も、直近の30年ほどコンセンサスとなりつつあった通説にメスを入れるので退屈しない。
スティグリッツやクルーグマン辺りの著書も無駄に難しく書いてはいないが、
自由主義経済批判の本を初めて手に取るとしたらこの本が良い入門書(ただし内容が浅いというわけではない)になるだろう。
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