3万キロを歩いた著者(G.ミーガン)が私の身近にいることを知り、講演を頼んだ。著書は最初原書で読み、その後彼と友人になってから翻訳本があることを本人から聞いて、日本語版を読んだ。最初から彼の冒険談と人物に興味があって読んだので、文句のあろうはずはなく読後感は5つ星なのだが、敢えて満点を付けることを避け、何処かに反省点もあるだろうと4点にした。時代はおよそ30年前にさかのぼるが、青春の7年間をただひたすらテクテクと南米最南端のウシュアイアからアラスカの北端プルドーベイまで3万キロを歩いたことは驚嘆に値する。徒歩旅行中、自然の猛威は勿論、水の問題や空腹そして危険な体験をする。国境を通過したらしたで、国情に応じて様々な目に遭ったりする。こうして、得たものは本人にしかわからない貴重なものである。しかし、これが成し遂げられたのは、時々会いに来た日本人の奥さん(良子さん)の陰の協力があればこそである。また、旅行中にできた二人の子供の精神的な支えも忘れてはならない。
彼が道中意識したことは、貧しいマイナーな民族への思いと、将来を担う子供の行く末である。