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世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ (新潮文庫)
 
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世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ (新潮文庫) [文庫]

下川 裕治
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

鉄道でユーラシア大陸を横断できないだろうか。そんな案が頭に浮かんだのが、災難の発端だった。シベリアの大地をのろのろ走るロシアの車両に始まり、切符の購入も死に物狂いの中国、中央アジアの炎熱列車、紛争の地コーカサスでは爆弾テロで停車し、Uターン。フランスではストライキに巻き込まれ…。様々な困難を乗り越えながら、最西端ポルトガルを目指し西へ向かう鉄道紀行。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

下川 裕治
1954(昭和29)年、長野県生れ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。アジアと旅に関する著書多数。『南の島の甲子園―八重山商工の夏』でミズノスポーツライター賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 396ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/10/28)
  • ISBN-10: 4101315531
  • ISBN-13: 978-4101315539
  • 発売日: 2011/10/28
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By N/N
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下川さんの体を張った旅に敬意を払い、地図を開きつつ日程を確認しながら丁寧に読んでみた。

ユーラシアの東端から西端まで毎日それぞれ山あり谷ありなのだが、ウルムチ滞在あたりから話は盛り上がってくる。
入国と出国を繰り返し、緊張の場面を何度も切り抜けてカスピ海西側のアルテジアンまで進んだが、ここからの展開が白眉だ。
いきなり先行貨物列車の爆破テロ、不審な外国人の出国拒否? 賄賂の要求? ついに片道旅行は頓挫し泣く泣く逆戻り。 ビザが切れて途方に暮れ、そこに現れた救世主。怪しい宿に潜伏後、小さなプロペラ機でようやくバクーへ。
一歩間違えれば大変な事になる。命がけだ。それでも旅を貫徹したのは責任感の為せる業か。そしてイタリアまで来ると「旅が終わったような気がした」という。

下川さんの列車とコースへのこだわり、観察眼や冒険心、歴史話の挿入と思いやり。

2万キロ、最長片道、地球の果てへ、歴史紀行。そうだ、あのなつかしい宮脇俊三さんのエッセンスだ。

これは旅行を超えた冒険の本でもある。今、あたたかい紅茶を飲みながらこのスリルを味わえることに感謝している。
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By happybear0823 VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
下川さんの久々にみる濃厚な内容になっており、それが文庫本の書き下ろしということが心憎い計らいだと思います。
敢えて新刊本にしなかったというのは、旅するもののお供として、鞄に携えていつでもどこでも読んでもらいたいとの意向だと察します。
ユーラシア大陸の最東端、ロシアのソヴィエツカヤ・カヴァニから最西端、ポルトガルのカスカイスまでをほぼ一筆書きで線を引いていった鉄道の旅です。
その多くを鉄道の中で過ごし、国ごとの特色はあるものの、濃淡が段階的に推移する、いわゆるグラデーションしながら時とともに変遷していく姿をうまく表現しています。
その中でも、中央アジアに関する現状の情況はなかなか見聞きするものではなく、生々しく伝わってきます。
また、アジア圏からヨーロッパ圏へ移っていくところも明確に確認することができます。
下川さんも「紛争地帯をひょいと飛び越えてしまう飛行機とは違い、列車は争いのただなかを進んでいかなくてはならない。列車とは人々の平穏な暮らしに寄り添うように線路を走るものだということを、なかなか進まない列車のなかで思い知らされる旅だった。」書かれているように、本書を読んで、そのことを実感しました。
点と点を結ぶ旅より、こういったグラデーションを感じながらの旅路は、強く印象に残るものであると思います。
本書は、決して最悪の旅ではなく、それらの旅情に触れ、味わい深く旅を満喫できます。ぜひともおススメします。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
下川 裕治さんの貧乏旅行記が好きですが、今回の鉄道で巡る旅の大変さと凄まじさには驚かされることばかりでした。

サハリンのホルムスク(旧真岡)から間宮海峡を渡るフェリーの情景から旅情が伝わってきます。シベリアのバイカル・アムール鉄道の始発駅のソヴィエツカヤ・ガバニ駅(口絵に写真あり)からウラジオストクへ向かうあたりは速度も遅いし待ち時間も多く、走っているより止まっている方が多いというのんびりした鉄道の旅でした。

ハルビンでは満鉄経営の旧ヤマトホテルに泊るという体験をし、ダフ屋から切符を買う必要に迫られ、乾燥地帯を延々と走りながらウルムチに着くという中国の鉄道事情も興味深かったです。ウルムチでは6日間滞在し、漢民族の進出や石油で潤う街の姿が描かれていました。

未知なる中央アジアの鉄道のルポは大変珍しく貴重でしょう。民族も宗教も文化も言語もまちまちですし、多くの戦争や騒乱を経てきた地域です。
カザフスタンのアルマトイからウズベキスタンのタシケントへと進みながら、観光もせずに列車を乗り継ぐわけですから、ただひたすら乗り鉄に徹していました。その後の「渡航の延期をお勧めします」と言われている地域では列車爆破テロにまきこまれるなど波乱万丈と言えるまさしく命がけの旅となりました。

カスピ海西岸のアゼルバイジャン共和国のバクー、グルジアのトビリシ、アルメニア、そしてトルコ。イスタンブールからブルガリアのソフィア、セルビアのベオグラード、クロアチアのザグレブと珍しい街を通るのに結局乗り通すわけで、信じられないハードさです。
ポルトガルのカスカイスまで、実に車中に26泊、列車の乗り換えが27回、その距離は2万1000キロというギネス級の鉄道の旅でした。
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