この著者の本は9.11テロに関する詳細をまとめた本から3冊、全て買って読んだ。
陰謀論に与するものは全て「眉唾」として、書籍としては書店の売り場の片隅に追いやられ、よほどの物好きでもなければ、手にとって読もうとしないのが今の日本の現状だろう。菊川氏の本もこの「5次元文庫」という奇妙な名を冠されたシリーズに収まり、UFOやノストラダムスの終末予言に関する本などと一緒くたにされている。政治的陰謀が存在するのは事実なのに、そのことに正面から向き合おうとしない人が多いのは本当に残念だ(余談だが、昔見たウッディ・アレンの映画の中に、アレン演じるアメリカ人男性が、自宅で催す晩餐会に招待する客人のテーブルの席順を決めるのに、「あいつはケネディ暗殺の話を始めるから・・・」という理由で、一番隅っこの席に座らせようと、妻と二人で会話するシーンがあった。アメリカ国内でも陰謀論者というのは五月蝿がられているということなのだろう)。
9.11テロには「陰謀」と思われても仕方ない部分が多く存在しているのは事実なのに、政府は積極的な調査をするどころか、調査を妨害しようとさえする。そうしたことから端を発し、連邦準備銀行に関する黒い噂、陰で糸を引く怪しげな秘密結社・・・イルミナティ、フリーメーソン、新世界秩序とどんどん話が過激化する。この極東という一地域で暮らす日本人の我々にははっきり言って、確かめようもない話ばかりだ。お隣の鈴木さんや山田さんの家の家計のことですら知らない我々に、海の向こうの異国の、そのまた裏の社会のことなど知りようもない。信じるか信じないか、うっちゃっておくか、まあそんなところだ。
先ほどニュースでアメリカ最大手の保険会社AIGが6億円の赤字を出し、連邦準備銀行(出た!)が公的資金を注入すると決めたそうだ。このAIGという会社は例の9.11テロでやられたツイン・タワーの保険も手がけていた会社だそうだ。察するにアメリカは、ああした自作自演のテロ攻撃をアメリカ本土で起こし、他国に侵略でもしなければにっちもさっちもいかない状態まで追い詰められていたということではないのだろうか?
日本に突きつけて来る要求書などもそうだが、本来なら地道な自助努力によって乗り越えてゆかねばならない危機を、大国であるゆえの政治的軍事的パワーによる安易な解決策に頼ったところに、今のアメリカの堕落の根源があると思う。
「We CAN CHANGE!」などというお気楽なスローガンに酔っている前によくよく、アメリカ人は考えてみなければならないと思う。
フィクションのエンタメモノとして読めば最高に面白い本だが、著者の菊川氏はこれを作り事などとは思っていないし、事実かなり説得力のある内容だけに、ノンフィクション本とすれば、事実の裏づけが取れないだけに、非常に評価のしづらい内容ではある。
しかしそれでも、一読の価値ある本である。