特別な力を持つために悪と戦う宿業を背負わされた一家の物語。『超越』の次女や『冒涜』の長男など、家族全員が何らかの特殊能力を持っていて戦闘力が高く、彼らは日夜世界平和のために悪と戦い続けている。しかし実際に作中で描かれるのは彼らと悪の戦いではなく、家族の対話。その意外性が良くも悪くも特徴の作品。
一巻のメインが長男&四女&次男であったのに対して、今回のメインはかつて長男が倒した悪の組織の一家。打倒されて組織的にも家庭的にも崩壊してしまった悪の首領一家が真っ当に立ち直るまでを描く。
相変わらず意外性のあるテーマだし、正義の味方としての役目を背負う主人公の一家と悪の組織としての役目を背負い続けてきた敵の一家が好対照でしたが、内容は……微妙でした。
まず一巻で活躍した『祝福』の四女や『破壊』の次男の出番が今回はほとんどありません。このあたり一巻でファンになった身としてはガッカリでした。
逆に出番が多い悪の首領一家の面々ですが、表紙を飾る長女以外みんな庶民的で主人公一家と比べると魅力に欠け、話の中心に据えるには役不足かな……と。
最後。悪の首領一家が立ち直る過程が(巨大ロボットは出てくるものの)劇的な出来事が起こるわけでもなく何だか主人公(読者)のあずかり知らぬところで話が進んだ感があり、どうにも消化不良でした。
結論として、一巻と舞台は同じでも役者がほとんど違うため一巻でファンになった私には不満が残る内容でした。逆に悪の首領一家の庶民的なところが好きだったり『超越』の次女が好きな人には面白いとは思います。