この作品を全く初めて鑑賞した。テレビ版も観ていない。原作も知らない。
そして感じたのだ。今回の「完結版」は、いかにも“総集編”だと。
特に前半部分は、ナレーションが饒舌すぎる。
「そしてフランツの予感は的中したのです」
「そしてその夜、……恐ろしい出来事が降りかかってきたのです」
といった、余計な前置きが入る。どうして鑑賞者の想像に任せてくれないのだろう。どうして余情を味わわせてくれないのだろう。幼い子どもが見ても理解しやすいように、という配慮なのだろうか?
話を先へ先へと進めてしまう解説者が隣にいたら、ただ煩わしいだけである。解説するのではなく、場面々々で充分に想像を巡らせるだけの間合いを取ってほしい、そう思った。
終幕についても、えっ、これでもう終わりか、という物足りなさを感じた。
未知への期待と不安、恐怖、絶望、怠惰や憂鬱、困難の克服と、孤島での生活そのものは非常に興味深いし、その中で改めて「家族の絆」を感じさせるエピソードは感動的である。その感動の中心をどこに置くかをよく考えて編集してほしい。ばっさり切るべき部分は切っていい。残すべき部分は、しっかりと心の追体験をするだけの時間を取ってほしい。良い作品だからこそ、いっそう残念である。
真の素晴らしさを味わうためには、やはりテレビ版全50話を観ないとダメなのか……。
この『フローネ』というアニメ作品を、単なる“無人島体験ツアー”で終わらせてしまってはいけない。