衝撃的なタイトルから推し量れる通り、中味もやはり誇張表現が目立つ。何度も文中に登場する今年2月末の世界同時「暴落」。確かに上海8.8%の下げは大きく、世界を席巻したが、上海自体が3月中に急落前のレベルに戻している。また、世界のほとんどの地域で4月中に下落前のレベルをあっさり更新し、その後も上げ続けている。戻せていないのは日本くらいのものだ。執筆中に筆者は充分それを知っていたろうが、「中国発の世界バブル崩壊」に固執したため、そのまま刊行したという印象である。(5/30にも上海は6.5%下げ、周りを焦らせた。しかし、米国が上げたため翌日の日経は自信を取り戻し、+287円となった)
ただ、内外の政治・戦争・宗教・歴史などすべてを包含して先を見る姿勢はさすがにプロのアナリストである。我々素人が読むぶんには勉強になる点が多々あると言えるだろう。また、はっきりと期限を決めて「世界バブル崩壊が起こる」と言い切っているところがすごい。もし現実にならなければ著者の信用は大きく失墜するのであるから、これは極めて勇敢な言動である。
私はもちろん、すぐには筆者の勧める通りには行動しないが、今後の投資態度に若干は影響する本であったと思う。