本書は、著者のマクニールによって4回改訂されているようです。マクニールは引退しているそうですのでこれが最終版なのかもしれません。下巻は西暦1500以降くらいの歴史が対象であり、2001年というかなり最近まで描かれています。近代に近づくほど社会が複雑になってくるため、下巻は上巻よりつかみにくいです。エピソード的な話はほとんどないので、ほっと一息つくところはありません。全体として非常に濃密であり、濃密な歴史の海を粛々と進む本です。歴史の流れを学ぶための本というよりは、マクニール史観により歴史を解釈する本という方があたっているかもしれません。オセアニアやアフリカなど、従来、スポットライトがあたらなかった地域についても触れられており、その意味では真の「世界史」といえるかもしれません。西欧的視点からだけではなく、いろいろな地域のいろいろな時代を静かにじっくりと描いています。
この本がおもしろいのは、単に知識がつく(知識もつきますが)ということだけではなく、「なぜかくあったのか、なぜかくあるのか、おそらくどうなっていたのか」等についてのマクニールの考え方に唸らされるらかもしれません。
大作なので簡単に消化しきれません。いつか再読してみたい本です。