歴史学の大家であるウィリアム・H・マクニールによる「世界史」です。厚い本ですが上下2巻しかないので話の展開は駆け足です。
まず、鋤(すき)の発明が大きい。開墾力が高まり、農地が広がり、面のような国家ができるようになる。食料生産の増加は封建制を支える。戦車戦術の発明も大きい。これにより、機動戦闘力を得た民族は、平原戦闘で圧勝するようになり、農地型文明世界を席巻するようになる。そのほかにも、ムラサキウマゴヤシにより重装機兵を養えるようになり、これが文明世界と遊牧民世界の境界線に安定をもたらした話、古代ギリシャのファランクス戦法はなぜダメになったのか・・・などなどマクニール史観を織り交ぜながら解説されています。単に出来事を羅列するような退屈な本ではありません。技術や宗教(哲学)が歴史の進展にいかに影響するか、というところを仮説まじりで解説されていて、一言で言えば人類絵巻のような本です。
上巻は紀元前の世界の解説が中心ですが、モンゴル帝国や日本の室町時代くらいあたりまで解説されています。限られたページ数ですが、 日本の歴史についても、4ページほど触れられています。