本書は、現職の、高校世界史の教員が薦める「世界史」に関連する本のガイドブックである。主に高校生に向けて本を紹介しているが、大人が読んでも十分に楽しめる本ばかりであると思う。そう思ったのは、分かりやすく、かつ読者が興味をそそるような、筆者による記述によるものである。
たくさんの本がある中で、本当に興味をもって読む本や大きな影響を受ける本を探すのは難しい。だから、自分にとって「読んで良かった」と思える本に少しでも出会えるようにこのような本を読むのである。それが、「ガイドブック」の役割だと思う。
また、本書の「はじめに」などには「世界史ってなんのためにあるの?」とか「」なんでこんなことを覚えなくちゃいけないんだ!?」といった子どもの質問に返答に窮している筆者の様子が記されている。私も同じような質問をされた経験があるので、筆者の気持ちがよくわかる。私の場合は「好きだから」という理由であるが、興味をもてない子にとってはなかなかそうはいかないであろう。いかにその面白さを伝えるかは本当に難しい問題であるが、それでも本書を読んで「世界史」を含めた「歴史」に興味をもってくれたらと思う。
ちなみに、本書を読んでとりわけ中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』(岩波新書、1966年)と鯖田豊之『肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見』(岩波新書、1966年)に興味をもち、読んでみようと思った。