「30年ほど前に高校時代に習った世界史と、今の世界史がどう違うか」
そんな問題意識から、定年を控えた現場の教師たちがとりまとめた書である。
高校で世界史を学び大学受験で世界史を選択した者にとっても、
興味を引かれるタイトルた。
「現代とは、世界中を席巻する文明に対して、
世界各地域の自然や人間が長い時間をかけて歴史的に作りあげてきた文化が、
その見直しを求められている時代であるといえよう。
文明は利便性・効率性などを追求し、進歩を主張する。
18世紀に予感され、19世紀には確信となった「進歩の観念」も今や揺らぎ始め、
進歩は絶対的な価値ではなくなった。それが歴史的現在である。」
本著最終章「20世紀の歴史」のむすびのメッセ−ジである。
近年、世界史研究の新たな成果が相次いで出版され、
歴史の見方の変化に気づかされると、この作業に携わった教師たちが語っておられる。
いつかゆっくり時間をつくって、
世界の歴史を“今”の視点から見つめ直してみたいと思う。
そんな気持ちにさせてくれる一冊である。