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5つ星のうち 5.0
文明の歴史生態史観,
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レビュー対象商品: 世界史の第二ラウンドは可能か―イスラム世界の視点から (これからの世界史 (2)) (単行本)
先ず、豊かな低緯度(東洋、南洋)及び貧しい高緯度(西欧)という区分けがある。そして、生態条件としての東洋、南洋は、巨大な「島」(中国、インド)の傍に中程度の「島」(日本、朝鮮、インドシナ、インドネシア等)がある。(中心性が高い官僚制型) それに対して西洋は、広い海に大・中・小の「島々」が無数に浮かぶ。(移動性が高いネットワーク型) また、時系列的(歴史)には単線的な発展はしない。文明中心が移動する。ある文明が栄え、やがて衰退をみせると周縁の集団が次の担い手となる。それは未開、文明、野蛮を繰り返しとなる。 以上が、大まかな枠組みである。 .進歩史観(発展段階説)とは、19世紀世界の覇者となったヨーロッパが生み出した野蛮で傲慢な思想である。 それは、地球上唯一の生産者である植物からの搾取を「生産」といいくるめ「労働」による「価値の創造」とまで思い上がる。 近代西欧文明の「人類」という概念にはこのような傲慢さが染みついている。 「民族」という概念も西欧的近代化のなせるわざである。「私的所有権」も同様である。 .文明としての「ヨーロッパ」などというアイデンティティが生まれるのは18・19世紀以降のことで、「東洋」におけれる唐文明、南洋におけるヒンドゥー文明、西洋におけるアラブ・イスラム文明それぞれが「世界」であり、現代にまで至る「基層文明」である。 周縁から出発した文明は、イスラム・中華コンプレックスを持ちひとたび軍事的に制覇すると一転差別・侮蔑の対象とする。 .最もテクストの抽象度が高く融通性に富むイスラム教は四方に広がったが、抽象度が低いキリスト教の場合舶来宗教として4・5世紀以降ヨーロッパに広がった。舶来宗教の常として言語規範に頼るところが多く教義論争、宗教戦争により分裂していった。聖書という言語規範を唯一の典拠とするプロテスタントは、民俗信仰の暴力的弾圧(魔女狩り)を行った。 .社会主義は資本主義と裏腹の関係にある。進歩発展の幻想を共有していた。 .自我には、神々とも輪廻転生する「生類の一員」あるいは「衆生のひとり」といったインド的自我もあれば、宇宙的生の共同体の一員ともいうべき中国的自我とか色々ある。さしづめ「世界にのびひろがるアラビアン・ナイト的」と対比して西欧的自我はコンクリート詰めのちっぽけなもの(荻野アンナ)で極めてローカルなものである。決して普遍のものではない。更には、経絡系の自我も存在しているかもしれない。そして、勝手に動いて外界とも交換、融通し合っているかもしれない。 .近代西欧文明の破産管財人アメリカは、エネルギー・情報・金融を支配し何とか世界を管理操作しようとしているが、余りにも人工的なモノカルチャーという方法論は複雑系である「自然」から遠ざかり何れ破産するであろう。 1998年出版であるが、壮大な枠組みで現在でも新鮮な知的刺激に満ち満ちている。
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