この本はヨーロッパ人の歴史認識、歴史観が時代により、どう変化していったかを解説した本です。内容を簡単に説明すると、
【古代、ギリシア、ローマ時代】円環的時間認識、歴史は繰り返す。世界はヨーロッパ、アジア、アフリカの三大陸、ヨーロッパ以外の地域には怪物が住んでいる。ヨーロッパは自由、アジアは隷属。
【中世、キリスト教時代】聖書的時間認識、創造と終末、人類史は六千年。聖書中心主義。
【近世、宗教改革、大航海時代】カトリックとプロテスタントによる年代学論争。アメリカ大陸の発見、怪物は存在しないが野蛮人が住んでいる。
【近代、啓蒙主義時代】ニュートン的時間認識、時間には始まりもなければ終わりもない。聖書と歴史を区別。ヨーロッパは進歩、アジアは停滞。
【近現代、国民国家時代】歴史主義(史料批判)による、歴史の見直し。化石や遺跡の発掘などで古代の再発見、再評価。
「常識とは大多数の人間が共有する偏見にすぎない」とよく言いますが、この本を読めばこの言葉の意味がよく分かります。