人類発祥の地アフリカ大陸は、優れた文化を育んできた歴史を持つが、ヨーロッパ民族の支配と侵略により暗黒大陸と言われるよになってしまった。
奴隷として南北アメリカやカリブ海諸島など(本書では、アメリカスと呼称している)へ連れ去られた1000万人以上ものアフリカの人達が、白人支配のプランテーションなどで過酷な労働に耐えながら400年以上もアフリカ文化を継承してきた。
奴隷として暮らしたアフリカ人達は、白人支配者達の西欧文化などもハイブリッドしながら、食、信仰、音楽、舞踏、文学、などのアフリカ文化の真髄を失うこともなく、世界中にその影響を今日まで与えてきた。
本書で面白い話の一例として取り上げると、アフリカ各国で主食になっているトウモロコシの固粥(ウガリ)が、今では、アフリカ古来からの食文化のように考えられているが、アメリカスで暮らしていたアフリカ人達が作り出した食物だが、トウモロコシがアフリカへ伝わったことから始まったのである。
このような興味ある話が、1部=「アフリカ点描」、2部=「ディアスポラ・アフリカの案内」、と二部に分けて、アフリカ研究者の九人がテーマ別に語る形で構成されている。(呪術の章のサッカーの話が、文学の章での家主と借家人との戦いの話と繋がっていて面白い)
アフリカン・デァスポラがもたらした文化は、いまなお世界を旅している。音楽だけでも数えきれないほどのジャンルで今も世界の隅々にまで影響を与え続けている。