私は南極越冬の経験者で、昭和基地の空を眺めていた者ですが、2章の朝焼け、夕焼けの美しさは、まさに現地で堪能してきたものです。一方、8章のグリーンフラッシュは越冬してもそう何度も見られるものではありません(私は一度だけそれらしいものを見ました)。これだけの写真を撮るには、出現しそうな現象を予測する知識と、いつでも撮影できる準備が必要です。さらに、観測隊員としての仕事は別にあるわけですから、こうした撮影を一年余り続ける根気には敬服します。
これまでに数々の空と雲の写真集を出し、2007年度には「写真を利用した気象教育と気象普及活動」で日本気象学会奨励賞を受賞している著者が越冬すると聞いて、行くべき人が行くのだなあと期待していたのですが、この本は極上の”お土産”といえるでしょう。
ひとつだけ注文があるとすれば、もうちょっと高くなってもいいから、大きな写真を載せた「愛蔵版」がほしいなあ。このご時勢では難しいでしょうけれども。