旧石器時代から奈良・平安、そして各時代から太平洋戦争、湯川秀樹ファミリー、非核三原則まで、幅広い題材にTVの番組のような軽快な語り口で、とても面白く満足した。それにしても我々が昔当然の如く習った常識が、40年ぶりに見た今の教科書ではずいぶんと記載内容が変わって、様相が違うことに正直驚いた。また6年前の石器捏造事件の藤村新一の事件も教科書の書き直しに大変であった。この前代未聞の捏造事件の記述も興味深かった。日本史と言うと、とかくやたらと難しいことを言う専門家らしきレビュアー、或いは日本史オタクというようなレビュアーがいるが、私のように日本史を一般教養科目的に面白く読みたいという読者には、内容的に楽しく真面目なこの書は丁度良く心地よい。最終講義の神風特攻隊、原爆投下、湯川秀樹兄弟、非核三原則の締めくくりは特に印象に残った。最後に、小川芳樹(冶金)、貝塚茂樹(東洋史)、湯川秀樹(ノーベル物理学賞)、小川環樹(中国文学)という各方面の大家が実の4兄弟とは知らなかった。すごい家庭だったものだ。