オマヌケでもわかるシリーズ、だが、中身は、かなりまっとう。PM(プロジェクトマネジメント)は、生産管理の数式的なことを言い出せば、あちこちの理論のとてつもない摘み食いの山で、理論だけで収拾がつかなくなる。それをこの本は、実践的な面に絞って完結にまとめてあり、PMの実際で知っておくべきことのおおよそがほぼ網羅されている。その分、個々の理論的な根拠説明などは、はしょられているところも多いが、まずはこれで全体像を掴んだ上で、必要なところだけ、より詳しい専門書に当たる、という順序が穏当だろう。
で、第3版、ということだが、第2版と同様、原著は第4版。つまり、英語の親本は、日本語の翻訳の第2版も第3版も、まったく同じもの。両方持っているが、正直なところ、わざわざ翻訳を改版にするほど、前の第2版がひどかったとは思えない。ただ、売れている本でもあるし、それを増刷するなら、ニュアンスその他のミスをこの機会に直したかった、という出版社側の意向もわからぬでもない。しかし、原著が第4版なら、翻訳も第4版とし、その改版なら第4版改版とすべきだろう。ややこしくてしょうがない。
うちの大学の私の講義でも、これ、教科書として使っている。これくらいのことを知らなければ、どんな事業でも、とくに企画や宣伝の分野では、まったく仕事になるまい。それも、会計などとならんで、PMは国際共通の規範だ。基本的な術語や手法がさっと使いこなせれば、時間の限られているなかで、打ち合わせから実行、修正まで、すんなりと行く。どんな専門であっても、仕事の進め方として、すべての学生が学生のうちに学んでおく常識だ。