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世界リスク社会論 テロ、戦争、自然破壊 (ちくま学芸文庫)
 
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世界リスク社会論 テロ、戦争、自然破壊 (ちくま学芸文庫) [文庫]

ウルリッヒ・ベック , 島村 賢一
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

現代社会が生み出したリスクは、われわれの世界をどう変えたのか?国境を無効化してしまうテロリズムの遍在と、それに対抗して形成される「対テロ連合」という諸国家間の結束。環境破壊や核の脅威をもたらす一国家の決断に対する、国を超えた草の根レベルの運動の勝利。リスクはグローバル化を促進し、内外、上下、あらゆる角度から「国家」という枠組みを掘り崩して、近代社会の根本原理に見直しを迫っている。このリスクにいま、いかなる危機と可能性が秘められているのか。現代ドイツを代表する社会学者が鋭く切り込む。『危険社会』の著者によるもっともわかりやすくコンパクトな入門書。

内容(「MARC」データベースより)

テロ、戦争、原発事故、気象災害、少年犯罪…。グローバル化によって、近代社会は自然と伝統を喪失し、自らが自らを危険に陥れるシステムに縛られている。グローバルなリスク社会を克服する世界公共性の可能性を探る。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 191ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/9/8)
  • ISBN-10: 4480093109
  • ISBN-13: 978-4480093103
  • 発売日: 2010/9/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By ふんふん トップ100レビュアー
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 リスク社会論で有名なU.ベックの講演集ですが、はっきりいってつまらない(笑)。
 ベックが80年代に書いた危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)は、レビューも書きましたがとても面白いのです。あのレベルの面白さを本書に期待すると、ガックリ来ます。まあ本の性質が全然違うので比べても仕方ないかも知れませんが。
 全体的に論点が細切れで表面的だし、講演だからというのもあるんでしょうが、左翼的というか素朴な市民主義的なドグマが散見されて、『危険社会』に見られたような社会科学者としての緻密な分析はあまりありません。

 ちょっとなるほどと思った論点を挙げるとすれば、「危険」の定義について、「危険というものは、世界の外側で私たちの意識とは独立して「それ自体」として存在するようなものではまったくないのです。……社会的な構築物なのです。」(78頁)と言っているように、何がどれぐらい危険なのかは客観的に一意に決められるものではなくて、危険というものは社会が定義して初めて意味をもつものだという見解です。
 要するに一種のコンストラクティビズムで、ベックはべつにそれだけを強調しているわけではないのですが、たとえば「フクシマ」の原発事故後の論争をみていると分かるように、「何が危険なのか」「どれぐらい危険なのか」は専門家があれこれ議論してもなかなか決められるものではなく、結局のところ社会がどう考えるかに依存して決まるということはよく分かりました。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
本書は、2001年11月のモスクワにおける国会講演「言葉が失われるとき」と、1996年5月のウィーン旧市役所における講演「世界リスク社会、世界公共性、グローバルなサブ政治」から成る。

「言葉が失われるとき――テロと戦争について」では、「世界リスク社会」の概念を説明し、そこから、1)テロと戦争、2)経済のグローバル化と新自由主義、3)国家と主権、といった概念を批判的に検討することを目的にしている。

 まずベックは、「危険」と「リスク」を区別し、「リスク」とは危険を確率などで数量化、可視化、普遍化することによって制御可能、予見可能にした近代の概念であるとする。そしてグローバル化する危険(環境破壊、テロなど)が、従来のリスク概念を超えて把握できなくなり、政治的に「爆発」してしまう可能性がある現代を「世界リスク社会」と規定する。

 次に、世界リスク社会における危険を、1)生態系の危機、2)世界的な金融危機、3)国際的なテロの危機、という3つの次元に区別し、そこから世界リスク社会特有の政治的チャンスと矛盾の共通モデルを提示する。それによれば、世界リスク社会の自己再帰性により、危機のグローバル性は内政と外政の区別を流動化させ、グローバルな連帯を産み出すという。

 以上を踏まえて、世界リスク社会における上述の諸概念の変化について検討する。国家のみが国家に対して戦争するのではなく、諸個人が国家に対して戦争するという戦争の「個人化」。新自由主義の失墜による政治の優位。国民国家間のグローバルな同盟による国家の自己決定権の縮減と国家主権の増大、などが指摘される。最後に、「監視国家」ではなく、「世界へと開かれた国家」への展望で締めくくられる。
 

「世界リスク社会、世界公共性、グローバルなサブ政治」では、「環境問題」を、従来の社会と自然という二元論を超える視点として、世界リスク社会の観点から考察することを目的としている。

 ここでは、世界リスク社会論について、「言葉が失われるとき」よりも詳細に述べられている。国際的な条約や制度の設立といった「上からの」グローバル化と、既存の政治的組織や利益組織を疑問視する新しい行為主体(グリーン・ピースといったNGOなど)といった「下からの」グローバル化を区別し、下からのグローバル化による直接的な政治が「サブ政治」として重要視される。

そして、サブ政治のケーススタディとして、グリーンピースの活動を取り上げ、結論として、1)環境問題というグローバルな危険はグローバルな共通性を作り出し、世界公共性の可能性が生まれる。2)そのような危険のグローバル性は、協調的な国際機関の創設に向かわせる。3)それは従来の政治的なものを解体し、グローバルで直接的なサブ政治により、カント的な「世界市民社会」の可能性が生まれる、といった点が指摘される。

解釈論的枠組みに関する議論はやや難解であるが、訳者解説を参考にすれば、大まかな理解を得ることができる。また訳者解説には、本書所収の講演のニュアンスの違いや、ベックに対する批判についても少しであるが触れられている。

本書は、前半は9・11以降のテロリズム、後半は環境問題が議論の中心であり、金融問題や経済のグローバル化についてはあまり触れられていない。だからといって、リーマンショック以降の金融危機について得るところが全くないわけではない。なぜならば、リスク概念はまさに金融において中心的な問題だからである。コンパクトではあるが、内容が詰まっており、ベックの入門書としても読むことが可能だろう。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 ポイントは、気候変動やグローバル化した金融市場、テロリズムといった近代社会の生み出したリスクは制御できない、というペシミスティックなものです。その典型としてあげられているのが原子力発電所事故で、だから保険制度も適用されない、というのがその証左だとしています。また、9.11のようなリスクに対しては、個々の国民国家だけでは対応することができずに、グローバルな同盟が必要になってくるとともに、新自由主義的な安全をないがしろにした規制緩和圧力に対しても、紛争調停の専門組織が必要になってくる、というような話しです。

 ふたつの講演が収められているんですが、その最初の講演のラストに引用しているカントの「公民法に従い世界市民社会と一致するような成因として自分をみなせることは、人間が自分の決定について考えることができ、情熱的に考えることのできもののなかで、もっとも崇高な理念である」というのは印象的でしたが、同時にちょっと理想主義的だわな、とも感じていました。

 例えば、グリーンスパンが《商業銀行は百年に一度しか必要にならないほどの資本を、いつも備えることに強く抵抗し、百年に一度の事態が起これば、破綻するリスクをとることを好んでいる》から、金融システムの100年に一回の危機は中央銀行が担うべきだ、という迫力には及ばないかな、と感じます(『波乱の時代 特別版 サブプライム問題を語る』)。
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