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19世紀末、世界の主要国は金本位制に転換した。その過程で「金の分捕り合戦」が生じ、世界的なデフレに陥る。このデフレは南アフリカで金鉱が見つかり、マネーサプライ(通貨供給量)が増加したことで解消された。著者は、マネーがデフレ不況を解決するカギになった明確な例だと指摘する。
一方、日本は西南戦争の戦費調達のために、不換紙幣の大量増発に追い込まれ、戦争後にはインフレに悩まされた。著者は高インフレ解消のため、緊縮財政で支出を大幅削減することを目指した松方正義と、外国からの借金で財の供給不足を補うことを目指した福沢諭吉、大隈重信らの経済論戦を解説。明治時代のリーダーが先端の経済認識を持っていたことを評価する。
21世紀初頭に「来る」と喧伝された3回目の世界デフレはどうやら回避されそうだ。米政府と連銀が提携して強力な景気刺激策を実行したのがその要因。本書は構造改革か、景気対策かと思い悩み、どちらも中途半端にしか実施しなかった日本との差異はどこにあるのか、分析を試みる。
(日経ビジネス 2006/06/05 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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