私は空手の愛好家ではない。本書を読んだのも、日本人が世界を体験した旅行記を収集するなかで偶然に遭遇したためである。旅行記としての出来から言えば、本書はかなりのレベルにあると思う。各国の裏側をのぞき込んでいて興味深いし、読者へのサービス精神を忘れていない。時折あらわれる社会批判もなかなかの鋭さだ。ただの空手マニアが書いた本ではないので、馬鹿にせず、読んでみるといいと思う。
極真空手の創始者である大山倍達が、空手を世界に広め、道場の資金を集めるためにアメリカへ渡り、ギャングと戦ったりする内容。牛との戦いや、ナイフ使い、イランの棒術師との決闘なども盛り込まれており、息もつかせぬ展開をみせる。どこまでが実話なのかわからないが、とにかく良く出来た本であった。