2007-2009年に新聞の夕刊等に掲載されたエッセイ集。太宰の作品(太宰自身も)や桜を深く愛する姿や形式美と力・言葉・物語・本・読書体験・心と体等に対する赤裸々な深い想い(入れ)を通して、作家・川上未映子氏をより深く知悉出来ました。いくつかハッとさせられた言葉を紹介します。
・それが偶然でも必然でもどっちでもいいけれど、それらの出来事に、自分は実際のところちゃんとかかわることができているといえるのかどうか
・読む人と書いた人、そして真ん中にある文章の、このみっつにとって絶対的に美しい結ばれの場所が気の遠くなるようなこの運動の途上にはきっとあって、それが見える。どんなことがあってもそこに行きたい
・等しく限られた時間の中で、人と人がどうしようもなく影響しあうという残酷さと完璧さ
・人生の中で失われたものを見れば「たけくらべ」は悲しい。しかしその悲しさがあまりにあざやかであるためにこれは胸が折れるほどに美しい。この物語は生きながらにして見る夢そのものである
・見上げれば明日も生きていけるような、そんなものを作れたら。一生をかけてやってみたい