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世界を変えた発明と特許 (ちくま新書)
 
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世界を変えた発明と特許 (ちくま新書) [単行本]

石井 正
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

歴史的大発明の裏には、特許をめぐる激しい攻防があった。蒸気機関から半導体まで、発明家たちの苦闘の足跡をたどり、世界を制する特許を取るための戦略を学ぶ。

内容(「BOOK」データベースより)

発明家はただ発明をすればよいのではない。いかに特許を申請するかが勝負なのだ。世界を変えた大発明の裏には、特許をめぐる発明家同士の激しい攻防があった。ワットは蒸気機関で強すぎる特許を取得したため同業者から執拗に抗議され、ライト兄弟は自分たちの飛行機の基本特許が盗まれたとして泥沼の訴訟を繰り広げた。特許制度は、いかに彼らの利害を調整し、審査や訴訟の仕組みを整備してきたのか。その歴史的経緯を解説しつつ、発明家たちの特許をめぐる苦闘の足跡をたどる。

登録情報

  • 単行本: 234ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/4/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480066055
  • ISBN-13: 978-4480066053
  • 発売日: 2011/4/7
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By これでいいのだ トップ500レビュアー
 蒸気機関のワット、電力システムのエジソン、飛行機安定技術のライト兄弟とカーティス、無線通信のマルコーニ、さらにトランジスタ、半導体、自動織機、レントゲン。そこには、社会を変えた科学技術上の「発明」と、その実用化を支え、巨大な権利をももたらす「特許」取得の栄光と挫折、あるいは悲喜こもごもの人間ドラマがあった――。テクニカルな説明で歯が立たない部分も一部にありはしたが、典型的な文系の評者にとっても、本書の具体的な事例紹介と解説、そして展望は興味津々。時系列的・理系的な「発明物語」ではなく、あくまでも人間くさい「特許をめぐる攻防」という視角から、その足取りと現在が活写されている。それやこれやで、大層興味深く読めた。

 著者は元特許庁の技監で、私立大阪工業大学が知的財産学部を創設した際の初代学部長を務めた、特許や知財の第一人者のひとり。これまで専門書や学術論文を発表・公刊することはあっても、一般向けの啓蒙書はなかったようで、本書は小ぶりながらも内容の濃い、水先案内的で切れ味のいい佳作になっているように思う。
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By 革命人士 トップ500レビュアー
技術革新のパイオニアたちを話の軸に、特許戦略の歴史を紐解いた本。著者は特許庁の元技官トップ。機械、電子工学の素養がないと、読み通すのはかなりきつい。しかし、エジソンや豊田佐吉のように、技術革新で特許を積み上げ、圧倒的な立場を築いた起業家もいれば、ワットやライト兄弟のように一発当てた特許を死守するために、泥沼の訴訟合戦を繰り広げ、技術革新を停滞させた発明家もいた。

「白熱電灯を発明した」と紹介されるエジソンだが、「カーボンによる発熱体」というアイデアまでは既知だった。エジソンが「電球の発明者」になれたのには、その後に電力の発送配電システムを次々開発し特許をがっちり押さえ込んだことが大きい。同様に「自動織機の発明者」言われる佐吉も、一発の発明で終わった訳ではない。織機の各パーツの改良を続け、大正期以降は長男・喜一郎が後を継ぎ、巨大産業機械である自動織機のシステムを組織で開発したことを一枚の特許マップから示す。自動車のパイオニアの印象が強い喜一郎だが、織機についても優れた技術者だったことが分かる。何より、発明家個人の資質に依存していた技術開発を、「顧客の要望に応じて、組織がシステムとして進める」という現代のスタイルに変換し、自動車にも応用した所に喜一郎の先見の明がある。

特許の負の面(キルビー訴訟など)も含めて、発明と特許の関わりが楽しく読める物語になっている。同じ知的財産でも、文化庁関係者が著作権の歴史について書いたら、「著作権はこんなに素晴らしいんだから守れよ」みたいな著作権礼賛本にしかならないんだろうなあ。
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By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
歴史上の重要な発明における特許権の係争や問題を取り上げて紹介している。それぞれの発明がどのようになされて特許として認められたのか、どこに新規性があったのかを申請内容から丁寧に紐解く。同時に、それがどのように社会に広まりあるいは普及を阻止されたのか、発明者はどのように報われたのかもしくは苦労を味わったのか、そのポイントはどこにあったのか、ということも説明している。内容は、以下の通り。
1. ワットの功罪:強すぎた蒸気機関特許
2. エジソンの栄光と挫折:電力システムの発想
3. ライト兄弟VS..カーティス:飛行機に基本特許はあるのか
4. マルコーニの世界戦略:無線と国家安全保障
5. 天才ショックレーの衝撃:トランジスタ発明の栄誉は誰に?
6. キルビーVS.ノイス:日本企業を苦しめた半導体特許
7. 豊田佐吉・喜一郎の特許戦略:自動織機から自動車産業へ
8. レントゲンはなぜ特許を取らなかったか:特許にならなかった大発明
エピローグ 強い特許を取るための戦略とは?

一口に発明とか技術革新といっても、それが何を指すかは特許申請書の記述次第。有名な発明であってもその新規性や範囲をめぐって裁判で争われることがある。類似の研究が各所で行われていた場合には、出願時期や発明した時期も重要。元々対立していた同士が手を組む場合も。研究ノートは証拠としても役に立つ。淡々と書かれているが、結構生々しい。特許をめぐる物語を通じて、特許制度の功罪、特許を集中管理してライセンスする仕組み、日米の特許制度の違い、ひとつの商品に対して改善を重ねて複数の特許をとり続けることでより良くするという方法、報酬のあり方というような発明に関する権利のリアルな姿やそこからの教訓が見えてくる。

新興国の追い上げの中で日本が産業の競争力を維持しようとするなら、研究開発とそれによって得られる知的財産への実践的な理解を深めることは重要である。法的な知識だけであれば他にも良い本があるが、歴史から学ぶという観点から本書はなかなか具体的で有益な内容を含んでいるように思う。丁寧に調査して書かれており、面白かった。おススメ。
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