アンカリング効果や保有効果など、前著の「経済は感情で動く」と同じ用語が結構登場するが、
例え話などは新しい記述であり、非常に面白かった。
人間は無意識のうちに理性的ではなく感情的に物事を考えてしまうこと、
さらには簡単に暗示にかかってしまうことが、本書を読んで改めて思い知らされた。
特に、P320の南アフリカのムベキ前大統領によるエイズ政策について、
欧米社会が作った薬など使えるかという反欧米感情から、政治家や国民が薬を使わないという政策に賛同し、
数万もの新生児がエイズウイルスに感染している話には、非常に呆れてしまった。
血液型性格診断や胎児記憶などを信じている人は、是非本書を読んで再考して欲しく思う。
<蛇足>
イタリア語の言い回しのせいか翻訳者のせいかはわからないが、
時折頭に入りにくい記述があり、読むのに少し苦労した。