という、小気味いいドキュメンタリー風小説。
テレビっ子として育ってきた向きには残念なことに、
気がつくとどうもテレビが面白くない。
エンタの代表選手だったはずのこいつが
要はだんだんその力を失って来ているんじゃないだろうか。
逆に、この小説の主人公ギョロナベこと渡辺正文は、
そんなテレビがどんどん面白くなっていた時点でのヒーローの一人。
当然、そのユニークで破天荒な武勇伝も面白いのだが、
この熱気や正のスパイラルを単なる時代や個人の資質問題、
自分の日常とは無関係の「お話」と考えてしまうのは間違いだ。
いつだって、時代は人が創る。それが原則。
とくに小説前半の小気味いいストーリー展開に目を奪われがちだが、
ただ、ああ面白い話だった、ああそんないい時代があった‥‥
だけでは終わらない、もっと素敵な読後感を与えてもらえる本じゃないだろうか。