最初は辻信一さんの『スローライフ 100のキーワード』なる本で、フィロソファーではなく、スロソファーとして長田さんが紹介されていて興味を抱き『深呼吸の必要』を読みました。現代詩嫌いだった自分にとり、『深呼吸の必要』の子供と大人の境界線をめぐる自分との対話の詩篇=散文詩は、本当に驚きでした。平明な言葉で、ここまでできるんだ!と、感動が襲ってきました。そんな出会いに導かれて、書名がすでに、その世界を語っているこの一冊に古書店で出会いました。12人のスペイン人なる連作詩篇。これが白眉。徹底的に間テクスト的な意思に貫かれていて。長田さんが、これまでに出会った言葉たちとどんな対話を交わしたか、そのドキュメントになっています。とても私的な、しかし、驚くべきほど届く力をもった、「思考のギター」によって紡がれた「銀色の言葉」たち。ぼくたちは、いつも、長田さんの詩篇をよみ、豊かな〈立ち止まりのとき〉をもてる幸せをかみ締められます。「ゆっくりと生きなくてはいけない」とゴチック太字で語りかけられたとき(「人生の短さとゆたかさ」)、大きく、ほんとうに大きく、長田さんに諌められ、そして肯定された気がしました。ありがとう、長田さん。