日本の教育では自国(日本史)と海外(世界史)を分けていることから、理解が
進まず、暗記に頼り、結果として歴史を有機的に学習できず、現代の地政学などの
国際的な見地からの知識が不足してしまうことになる、と著者らは懸念しています。
そこで本書では、ほぼ同時代に起こったできごとを1つずつ取り上げ、左右見開き
(左頁:日本、右頁:世界)でイラストとともに組み合わせて歴史を大まかに、
縄文〜安土桃山時代、江戸時代、明治・大正時代、昭和〜現代と区分した4章立て
で構成し、楽しみながら読んでいるうちに、いつの間にやら世界と日本を立体的に
把握しているようになる、ということを期待したとのことです。
本書の前提は共感するところですが、海外には歴史という科目で自国と他国を
学ぶように、本書も自国と他国を分ける必要があったのか、と思ってしまいました。
そのように、分けて考えることは今までの歴史観を踏襲していることに他ならず、
実際に本書を読み進めても、意外性を誘う同年代のできごとを並べるに終始した
感は否めず、また、海外のできごとと日本のできごとの結びつき、例えば「中国に
○○が××年に伝来し、その頃の中国では△△をする必要に迫られ、日本へ渡来し、
その際に日本に○○がもたらされた」の様なストーリーが見えてきません。
結果として、サブタイトルに入っている−ヨコ軸でつなぐ日本史と世界史、からは
程遠く、立体的かつ有機的にに歴史を味わった感覚には至りませんでした。
コンセプトもイラストも非常に良いのですが、あとはコンテンツを見直して、
本書の1章を1冊にするくらいの分量でストーリー性を充実して欲しいと思いました。