研究は詳細にわたっていて、中国、中央ユーラシア(中央アジア)を中心に、
主に分かれて記載され、
ボリュームも詰め込み過ぎな位に入っています。
朝鮮(高麗)に関しての記述は、はかなすぎるほど少ないです。ご注意下さい。
予備知識は必須です。
五代十国など僅かに2ページ程度の記載にすぎない。
宋の建国事情、皇帝の系譜なども、熟知しているという前提。
(この辺を知りたい人は16史略などからお始め下さい。名君柴栄などについてもそちらで。
文天祥、馮道らも完全に省略されています。王安石もわずかか。彼らに関しても、別に名著があります)
そのうえで、当時の社会を詳細に見つめていく。
契丹、タングート、ジュシェン(女真)、ソグド、モンゴル系・・その他多数の中央ユーラシアを駆け巡った人達の部では、
言語学的なアプローチから、
音価のレベルで追跡し、当時の発音を再現しようと試みます。
なかなかこの時期のこの地域について書かれた歴史書はないように思えるので、特にこのパートが本書を価値ある一冊にしています。
ただこれから勉強を始める人には少々しんどいかもしれません。
欠点を挙げると、上記のようなハードルの高さや若干の説明の分かりにくさ(根拠に乏しい部分、客観的とは思えない部分、共著なのに「私はこう思う」と書いて、誰の意見だかわからない)
などが挙げられる。
いわゆる通史というより、それ以上を突っ込んで考える人向けでしょう。