漢帝国の崩壊、そして長い動乱の時代を経て隋唐帝国が統一を達成する。その政治制度や文化は世界的に見ても超一級であった。そしてその波は朝鮮半島やさらにその先の日本列島にまで及ぶ。これらの地域でも古代国家は形成されつあったが、隋唐帝国の強い影響で新羅、ヤマト政権といった今日の国民国家につながる国家が成立し、漢文や儒教を共有する古代東アジア世界が形成されたといってよい。
時に本書は新羅統一以前の朝鮮半島について出来る限り明快な歴史像を示しており、比較的わかりやすいものとなっている。(任那日本府などのヤマト政権の半島進出についてはなかなか言いにくそうなところがあるが)
ただ、中国の北朝やモンゴル・トルコ系民族の活躍についてもう少し意義を与えてもよいのではないだろうか。
個人的には、本書は高校生の時に図書館でよく読んでおり、古代史への興味をおおいにそそられたものであるから、文庫化には感慨深いものがある。