「帝国主義の開幕」と題し、19世紀後半のベルリン会議から20世紀前半のワシントン会議にいたるまでのヨーロッパ列強、日本、アメリカ合衆国が主導した帝国主義の活動を解きほぐした著作。一望するとひたすら「複雑怪奇」ないきさつを、「敵の敵は味方」「背に腹は替えられない」「昨日の敵は今日の友」「昨日の友は今日の敵」式の論理や倫理で丁寧に跡付けてくれている。
19世後半から20世紀前半までのヨーロッパ列強の対立と連携の構図はもちろん、ここでの経緯を辿れば近代日本の外交や戦争がいかにして起こったのかがわかるし、それらの持つ対外的なインパクトもよく理解できる記述を取っているので、近代日本史を理解する上での重要な鍵がここにもう一つ見つかった思いだ。ただ、ここで描かれている情景はすべて列強側からの目線なのは確かで、その意味でこのシリーズの第18巻から第20巻を併読すると重層的な構図が描けるのだと思う。
飽くことのない欲望が充満する光景に少しあっけにとられるぐらいの強烈さがあった一冊。