この巻は、初めこそオスマン・トルコ帝国の成立と繁栄を伝えるが、その後は重苦しい苦難の歴史が綿々と綴られる。もちろんそれはイギリスを筆頭とする西欧列強の干渉と侵略によるもので、書名の「インドと中近東」は徐々にイギリスやロシアにいいようにされていく。「ヨーロッパの栄光」の財源的・動力源がここに裏書されている。特にイギリスのインド侵略は、第二十巻に収録の中国侵略よりも何倍も徹底している。経済的進出からはじめて領地を獲得し、混乱を演出して統治権を奪い、軍事力を背景にして経済的に収奪する手口は、「帝国主義」という言葉がイギリス発祥であることを思い知らせてくれる。
ここで生まれた禍根は、いまだに解消されたわけではないのだと思う。中近東地域やインドでのきな臭いニュースの背景としての情報が少なからず含まれている巻。