タイトルは「ヨーロッパの栄光」、アジアやアメリカ、アフリカなど他の地域に対して優位に立っていた時期という意味での名づけだと思うが、取り扱われるのはナポレオン敗北後のウィーン会議からドイツの統一までの期間、政治・経済の話題に留まらず、社会や文化・芸術・学術についても多くに触れている内容だ。
しかし読んでいくと、栄光の時代のヨーロッパであるはずなのに、描かれている出来事や人物像は、どこかひどく鬱屈している。何か、行動にしても思想にしても、欲求不満を抱えているように見えて仕方ない。華々しい成果もたくさんあったのに、どこか無理をしているような、満たされていないような、そんな心境がこの巻全体で読み取れる。歴史の後知恵で言えば、この後に苛烈な帝国主義的侵略と二度の世界大戦があるわけで、ここでの記述はその惨禍に至るまでの前史のように読めてくる。
暗い時代に至る過程での栄光、と思えてくる巻。