新聞などで「人生相談」をしている人が書いた小説です。だから、気持ちの中に、「読書で楽になりたい、助けてほしい」という願いが少し(たくさん)ある読者のほうが共鳴しやすいかも。ところで、人生相談の回答者が、よい小説家になれるかどうか。ほとんどの場合、答えはノーです。明川さんの本作は小説としてとても読みやすく、味わい深いです。どうしてそうなるのでしょうか。きっと、明川さんがご自身の精神的な彷徨の後に、ひとつふっきれた状態にあるからなのでしょう。どうふっきれたのか。これは評者の妄想ですが、申し上げます。「一度出会った人とは、かならずどこかでまた出会う」と、骨身にしみて感じていらっしゃるのではないでしょうか。「どこか」をうんと広く考えるならば、上記は間違いではない認識です。そしてそうであるならば、出会う人を大事にしなければならないことが、自明に思えてくるでしょう。あとはただ、平易な言葉を連ねれば、読者には確実にとどきます。明川さん、読み終えて私も楽になりました。ありがとう。