キリストの処刑を機に形成されたとされるユダヤ民族への根深い差別意識、布教の名のもとに侵略行為を黙認したカトリック、キリストを預言者と認めながらも他宗派を徹底して排除するイスラムの「原理」、神道と朱子学の違いが広げる日韓の溝、ボスニア紛争、バーミアンの石窟破壊、「味の素事件」などの背景に厳として存在する宗教的アイデンティティーや戒律…。こういったことから、宗教が違うということの意味とその対立の重みが伝わってくる。
著者は、国際的に理解されがたい日本人特有の宗教的意識も指摘している。たとえば、「和」の精神からくる無原則な話し合い至上主義、「水に流す」という特異な価値観を外国人にも期待してしまうこと、「言霊」信仰からくるあいまいな契約態度といったものだ。
本書は7年前に刊行された『井沢元彦の世界宗教講座』に加筆を施した改訂版である。取り上げられる内容にバラつきが見られたり、あまり脈略のないまま著者の持論が加えられたりする部分もあるが、難解な教義を話し言葉でわかりやすくまとめている点がありがたい。(棚上 勉) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
登録情報
|
そして、この本を読んでからローマ法王の死去とその後のコンクラーベの報道がありましたが、そのことが良く頭に入りましたし理解できました。
仏教の項は、著者の「逆説の日本史」で書かれてることの繰り返しになってるキライがありますが、それを抜きに、世界の宗教を理解し頭の中を整理するには格好の書です。
本書はまさにそのような宗教初心者が最初に手にとる本として最適な入門書といえます。「キリスト教」「ユダヤ教」「イスラム教」「仏教」「神道」「儒教」といった主だった宗教は一通り取り上げられており、単純に各々の特徴を解説するに留まらず、他の宗教と比較しながらその違いをわかりやすく解説してくれるので、非常にポイントをつかみやすい。
ただ、「キリスト教」「ユダヤ教」「イスラム教」「仏教」の個所はよくまとまっているのですが、それに比べ「神道」「儒教」の個所については筆者の主観がやや目立ちすぎる嫌いがあります。言霊信仰など面白い見解もあるのですが、逆に「あれっ」と思ってしまう見解もあり、読者側も本書の内容を冷静に仕分けしていく心構えが必要でしょう。
とはいえ、「宗教」についてのごく基礎的な知識をすばやく得るにはうってつけの本であることには間違いありません。より強固な宗教リテラシの構築のためには、本書を最初のステップとして、さらに他の宗教関連書籍を読んだり、日頃の事象を絶えずキャッチしていくことが肝要でしょう。
宗教に興味があるけど、よく知らないという方にとって
最適な入門書であると思います。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|