地図を見ているとわけの分からない国境線を見つけることがある。やたらと入り組んでいたり、飛び地があったり、異常にまっすぐだったり。そういった国境線をひとつずつ取り上げ、そんなふうになってしまった歴史的背景を説明したのが本書である。
たとえば、オランダとベルギーの国境にあるバーレという町には、複雑な飛び地がある。オランダのなかにベルギーの飛び地があり、さらにそのなかにオランダの地域があったりするのだ。フランドル地方がスペインから独立した際のややこしい権力関係が原因らしいが、住民たちは意外に気にしていないらしい。
そのほか、スイス領内にあるイタリアの飛び地とカジノの関係、ロシアにあるユダヤ人の自治州、地理があんなに細長い理由など。
どれも数頁の記事でやや物足りないのはいなめない。しかし、複雑な国境線の歴史を分かりやすく解説してくれた貴重な本だ。