登録情報
|
……ところが、これ以降の章は、内容的にあまり刺激がないと思いました。
第5章と第6章では、教育の「平等性」と「卓越性」をいかにして両立するかという、現在先進諸国の大学が抱える問題について検討しています。これに対する著者の解答は、要するに「生涯教育」と「変化する社会の新しいニーズへの対応」といった程度のもの。たしかにその提案は間違ってはいないかもしれませんが、内容的に平凡で、あえて読む必要があるとも思えないです。
ところで、第6章は「知識のディズニーランド」と付題されているのですが、ふつうはこういう言い方をされれば、「大学教育の大衆化」を批判しているのだと思うでしょう? 80年代に大学の「レジャーランド化」が批判されたように。ところがまったく逆で、この著者はそもそも「知識のディズニーランド」という言葉を肯定的に使っています。
大学の中に中学・高校レベルのクラスを設け、中等レベルの教育を受けられなかった大人が通える場を提供するなどして、大学教育を多様化する。階層や年齢に関係なく、人々がそれぞれの必要に応じて学べる環境、それが「知識のディズニーランド」だそうです。これを実現すれば教育の「平等化」と「卓越性」がともに達成されると著者は考えているようですが、実に曖昧というか、実際的意義があるのかないのかよくわからん提言ですね。
やはり本書の価値は、1~4章にあると思います。
|
|