最初に言うが、今回の「世界の危機」は、ある人物が舜殺しているため、実質的に世界の危機は訪れていない。前巻に続き、世界の危機の一端をチラ見せしながら全貌は未だ明かさず、来るべきその到来へ向けての土台づくりをせっせと行っている第4巻である。むしろ、今回登場したネコ耳娘【美也】と犬のタロウのサイドストーリー的物語が主題と言えるかもしれないのだが、この美也がまた実に良い娘。特にキャラ設定が良い。これまで数多のラノベ作品で「変わった言葉遣いの娘」が登場しているが、この美也も一風変わった話し方をする。これがなかなか味があって良い。よく見つけたなぁという話し方で愛嬌を振り撒いている。そして真吾ラヴなのはお約束。しかし、この美也にはラヴな人物がもう1人いる。実際はラヴと言うより『ごしゅじんさまぁ』であり、この人物と真吾達との間で美也は板挟みなポジションに立つのだが、ここでなかなか上手な展開にしてホロリとさせる結末にもっていくところは作者の真骨頂である。その前提としての美也のヘヴィな過去、そしてタロウにも同様の過酷な過去があったことが判明する。それを今回の敵に繋げて、倒すべき意味を2つタロウに持たせて物語に深みを出しているのがニクいのだが、では、世界の危機ではない今回の敵が目指す目的は何か?というところで神のことや世界の危機のことなどの、次巻以降への伏線的要素へと繋がっていくのである。ここで少し見えてきたのは、どうやら神というのは善人(善神?)ばかりでもなさそうだということ。もしかしたら世界の危機というのは神同士の争いであって、真吾達はそれに巻き込まれているだけなのかも、という憶測が可能な現況である。今後どういう展開を迎えるのかが楽しみである。が、作品全体として説明的な文章が多いせいか、面白い割にのめり込めないのが何とももどかしい。