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「飢え」は、決して「天災」や「運命」などではなく、一握りの人間によって人為的につくられている「人災」であること、また北の豊かな人たちが、南の多くの飢えている人たちに「無関心」であることを、この本は教えてくれます。
「愛の反対は無関心です。」と言った人がいますが、この本を読むとその言葉が真実であることを実感できます。
世界から「飢え」を無くしたいと、ほんの少しでも思っている全ての人に関心を持って読んでほしい本です。
私は、「現代人必読の書」という言葉は好きではありませんが、この本は、間違いなく「現代人必読の書」といえると思います。
皆さん、ぜひ、関心を持ってください。
しかし,ごくたまに配信される,難民キャンプの飢餓民の映像は,じつはお茶の間向けの上品な映像で,じつはキャンプにたどりつけない人たちの死体の山がそこここに日々築かれていること,生まれて間もなく餓死するあまりにも多くの子どもがいることを知ったとき,誰を「赦せない」と憤ればいいのか。
神様ではない。それは責任転嫁だ。当該国の軍事政府,あるいは武装した諸部族であり,さらには,食料の供給や価格を左右する,先進国の大企業であり,バックアップする政府であり,飢餓者の救済よりも自国の経済の安定成長を,みずからの生活の豊かさを優先して,大企業や大企業と親密な政府を支持する,主権者たちである。つまり,「自分を赦せない」と言うしかないのだ。
だからといって,すぐに何ができるわけでもない。募金をしたり,少しずつ贅沢を差し控えたり,心に無理がかからない範囲で,少しずつでも変えていくしかない。どうしようもないからと言って,開き直ったり,見ぬふりをしてはならない。どうしようもないまま,せめて事実を見続けて,自分の赦せなさをつかみつづけなくてはいけない。そんな気にさせられた。
なぜ飢える人々がいるのか。それは天候や環境といった「天災」ではなく、きわめて「人為的」なものであることがこの本で説明されます。たとえば政治体制、あるいは国際経済、そして力を強めるグローバル金融資本。これらの要因が複雑に絡み合い、収斂する場が世界中を襲う飢餓を引き起こしているのです。このことが多くのエピソードによって語られます。
著者はこれらの問題を解決することが非常に難しい問題であると縷々述べていきます。しかし大切なのは、もはやこれは南北問題ではない、という最後の指摘です。「北」の国々にもすでに不平等が浸透しようとしている、それはもはや政治によってコントロールできなくなりつつある国際経済のためであり、今我々はこのことを真剣に考えなければならない時期に来ている、というのです。
息子カリムとの対話という形式で書かれていますが、高校生、大学生にも読み応え十分の本です。ぜひご一読を。
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